White Mountainエリアの観光情報

White MountainはNH州が誇るアウトドア天国です。地図に見えるLincoln, Conway, Mt. Washington, そしてLittletonまで広範にわたって遊びどころが満載です。

White Mountainの玄関口であるLincolnでは、冬のIce Castleが有名です。Lincoln付近には100ドルもしないモーテルがたくさんあります。レストランはWoodstock Inn Breweryがおすすめです。10分程北に向かうとThe Basin(無料)、Flume Gorge(州立公園)といった水がキレイ系の観光スポット、西に10分のところにはLost River Gorge(州立公園)という洞窟群があって家族連れでにぎわっています。Loon Mountain Resortという大きなスキーリゾートも目に入ります。

Flume Gorge
Ice Castle

LincolnからConwayに向かう東西の道路が、THE KANCAMAGUS HIGHWAYで、特に紅葉ドライブの名所として知られています。Highway入ってすぐのLincoln Woodsで5ドルの駐車券を買えば(Honor systemですが)、Highwayの中に10以上あるフォトスポットを楽しめます。フォトスポットの中には、短いハイキングロードもありまして、片道10分程度のSabbaday Fallsという滝を見に行ったり、Champney Fallsは片道30分くらいだったり、Rocky Gorgeの川もキレイで、アメリカ人は皆、川の中で泳いでます。夏、秋、冬と3回このHighwayを通りましたが、どの季節も違った表情を楽しめます。Highway沿いにはキャンプグラウンドも多数あります。

Kancamagus Highway

ConwayにはConwayScenic Railroadという観光列車があり、1時間の簡易なものから、5時間かけてWhite Mountainを周遊する壮大なものまであります。North ConwayにはAttitash Mountain Resortというリゾートエリアがあり、宿泊にはここがおススメです。夏はハイキングやプール、冬は巨大なスキーリゾートなのですが、宿泊施設のコスパが抜群です。広いジャグジー付きの部屋が100ドル前後で宿泊できることが多いので、White Mountainに行くときは、いつもこのホテルの値段から調べています。このエリアではRed Foxというレストランが大変おススメで、お店の素敵なグラスも購入できます。

Conwayから北に30分程度ドライブすると、米国北東部最高峰のMount Washingtonです。登るには、①Auto Roadを運転、②Cog Railwayという登山鉄道、③ハイキング(片道約4時間)という3つの方法があります。オートロードや登山鉄道からの景色は、言うまでもなくとてもキレイです。 Mt. Washingtonのふもとには、ブレトンウッズ協定の交渉が行われたOmni ResortMount Washingtonがあります。安くても1泊250ドル程度、週末はもう少し高かったりします。が、ホテルの作りは拡張高く、ブレトンウッズ協定の史跡も見れたりします。レストランではMt. Washingtonを眺めながらディナーを楽しめます。ホテルがゴルフ場やスキーリゾートも所有していますので、どの季節に宿泊しても、ゴージャスなリゾートを堪能できます。

また、このMount Washingtonのあたりは歴代大統領の名前を関した高山が多く、名ハイキングロードが集積していますので、体力に自信のある方は1日がかりのハイキングを楽しめます。自信のない方も、例えばMount Willardは片道1時間弱の登山ですが、絶景を楽しめます。さらに、秋はここら辺をドライブするだけで紅葉がめちゃめちゃキレイですし、冬はMuddy Paw Sled Dog Kennelという犬ぞりスポットもあります。

Omni Resortのレストランから見るMt. Washington

 

Mt. Washingtonの山頂から

 

Mt. Willard山頂からの景色


Mt. Washington
エリアから西に20分ほど行くとFranconia, Littleton, Sugar Hillというあたりに来ます。このエリアの夏の一番の見所はEcho lakeという本当にキレイな湖です。夏季は湖で泳ぐこともできますし、Artist’s Bluff Loopというハイキングロードからは湖全景を見下ろせます。Echo lakeに隣接するCannonはこれまた広大なスキーリゾートです。Sugar hill6月のルピナス祭りが有名です。

冬のEcho lakeと右に見えるのがCannonスキーリゾートの一部
Artist’s Bluff Loopから見る夏のEcho lake

First Year Project

FYP(Frst Year Project)は、TuckのSpring Term(3~5月)に行われる必修授業。クライアントの現実の経営課題に対してコンサルティングを行うもので、MBA1年目の総仕上げ的な位置づけです。

学生5人1チームに指導教官として教授が1名つき、大小・業種も様々なクライアントの経営課題を解決します。アメリカの企業に限らず、世界各地の企業からプロジェクトの募集がある他、起業志望の学生自身が作り上げたビジネスプランを同級生と実現していくことも可能です。

以下は、在校生が過去に取り組んだプロジェクトの体験談です。

(1)プロジェクトの質が高い

クライアントは売上高が兆円規模のグローバル企業。そして、今回のプロジェクトの内容が、会社にとって非常に関心の高いテーマ。片手間で、ちょっと学生に考えさせてみようか・・・という温度感ではありませんでした。実際に、20名近くの社員にインタビューをさせてもらいましたし、中間・最終プレゼンには15~20名程度の社員が出席してくれました。TuckのFYP事務局の不断の努力と過去の実績のおかげで、質の高いプロジェクトが引っ張ってこれるのだと思います。

(2)Faculty Advisorが常にプレッシャーをかけてくる

週に1度45分、Faculty Advisor(FA: 担当教授)とのミーティングがあります。私のチームのFAはManagement CommunicationのJulieでしたが、プロジェクト全体の進捗が刈り取られることは勿論、「あなたは今週何をやったの?あなたのタスクの進捗はどうなの?(他の人のスライドについて)あなたはこのスライドをどう変えるべきだと思う?」などと、コールドコールが連発されるため、適度な緊張感を維持できます。そして必修科目なので、メンバーが途中でドロップアウトすることもないし、全メンバー真剣にならざるを得ないっていうのもいいですね。

(3)チームワークの学び

FYPは学生5人1組で取り組みます。そして、全ての授業の中で、チームで過ごした時間は、このFYPが一番長かったです。そんなチームワークの中で、リーダーがやる気ありすぎて他のメンバーに対してパワハラ気味になってきたぞとか、メンバーの一人が母国に帰って時差のせいで全然捕まらないとか、マイペース過ぎて全然期日通りに動いてくれないメンバーにリマインドしまくるとか、十分なコンセンサスなしにリサーチやったら全然役に立たなかったとか、膨大な情報量をくれるメンバーがいるけど膨大過ぎて全然消化しきれねーぞとか、就活と同時並行中のメンバーにはどう気を遣おうとか、色々な経験ができます。その中で、このやり方はうまく行ったな、この人のコレは真似しよう、あの人のアレは真似しないようにしようとか、気付きがあります。

(4)情報検索スキルを学べる

クライアントに応用できる先行事例を探すために、図書館(Feldberg Library)のスタッフにケースや記事の検索リソース、上手な検索ワードの使い方等、色々と教えてもらいました。またチームメンバー同士でも、有益なポータルサイトを相互に教え合い、実際にそれらを使っていく中で、情報検索スキルを学べました。プロジェクトを通じて強く感じたのが、ピッタリくる先行事例を探すという作業自体が一番大変だったこと。普段の授業では、ケースを読むことすら面倒くせーなと思ったりもしていましたが、読むべきケースを与えてもらえることって贅沢甚だしいなと反省しました。

(5)コミュニケーション

チームの中の役割分担では、Client Engagement Managerというポジションに名乗り出てみました。私は海外経験が全くない(仕事で英語に触れた時間も、8年累計で2時間くらいだと思います笑)ので、正直英語のビジネスメールの挨拶すらよくわからず、1通メール打つのにもプレッシャーを感じていました。が、FYPの中で、クライアント、教授、卒業生など50人くらいにコンタクトを取り、30人くらいに実際にインタビューし、その過程で数百通のメールを五月雨式にやり取りする中で、基礎的なビジネススキルを学び、また必要以上に気を遣わずにコミュニケーションを取る度胸は身に付けることができたと思います。私同様海外経験がない方にはこのポジションはおススメです。

(6)ハードスキル

クライアントの業界、プロジェクトに関連する知識、ロジカルシンキング、プレゼンテーションスキルは当然鍛えられます。守秘義務のため詳しくは触れられません、悪しからず。

前述のとおりFAからのプレッシャーは強く、毎日のようにインタビューもやっていたので、FYPはかなりストレスフルでしたし、FYPがなければもっと楽だったな、という風にも思っていました。実際Spring Term(3~5月)の労力の半分以上はFYPに割かれました。でも同時に充実感はずっと感じていましたし、他の科目では学べないことをFYPが補完してくれているように思いました。

もちろん他のMBAでもクラブ活動等を通じてコンサルの機会は数多くあると思いますが、オフィシャルな必修科目であるからこそ、質の高いプロジェクトに、全メンバー強い責任感を維持しながら取り組めるのだと思います。3つも4つも中途半端に取り組むより、質の高い1つに真剣に取り組む方が学びがある。なので、FYPは良いプログラムであるというのが、私の結論です。

Fall Bターム

1.ストラテジー (教授:Ramon Lecuona
基本的には、ポーターのファイブフォース(Tuckではそこに独自に1つComplementorを加えたシックスフォース)を中心とし、それぞれの価値を生み出す源泉として、規模の経済性、ラーニングカーブ、シナジー、取引費用理論、破壊的イノベーション等の基礎的な事項を学びました。コア科目だけあって、古典的なケースが多く、トヨタによるプリウスの開発、任天堂・セガ・ソニーによるゲーム機戦争、デジタル技術の導入におけるコダックの失敗と富士フイルムの隆盛等、日本企業の名前が沢山出てきます。

ケースの舞台となる時代は、日本の国内市場で地盤を固めた日本企業が、満を持して米国市場を攻めてきたというものが多く、そうした日本企業に米国企業がどのように対応したか、日本企業がいかにうまくやっているかを見ていくこととなりました。Ducatiの元CEOがゲストスピーカーとして登壇した際に、「技術の向上や製造プロセスの改善といった既存の延長線上では絶対に日本のメーカーには勝てない。ただし、デザインの先進性等、Inovativeな部分では勝つことができる。」と仰っていたのは、なんだか複雑な気持ちで聞くことになりました。

私はストラテジーについては、過去に独学でそれなりに勉強していたので、知識としての新たな学びはあまりありませんでしたが、ケーススタディを通じて、何度もその知識を応用したことで、モノの見方が多少変わったように感じています。ポーターのファイブフォースの要素を5つ言えることと、それを実際に使って考えられることとは当然ながら別次元の話です。

 

2.マーケティング (教授:Sharmistha Sikdar
市場調査の方法、分析手法、セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング、3C、4Pのフレームワーク等、マーケティングの基礎事項を網羅的に学習。実践面では、様々な企業のCMを見ながら、学習した事項を使ってどういったコンセプトで作られたものかを考察したり、与えられたデータを元に、特定の商品(キリンビール等)のポジショニングを考えたりもします。

また、Markstratというソフトウェアを用いて、各スタディグループ毎に、マーケティングのシミュレーションゲームをしたりもしました。顧客ニーズや競合動向を分析しながら、新商品開発や既存の商品の価格戦略、製造計画、チャネル戦略等を考えます。各意思決定に基づいて市場シェアや売上・利益が算出され、それらを反映した株価が最終的に一番高いチームが優勝です。うちのチームはリスクを取って新商品開発に一番早く乗り出したところ、最初はR&Dコストが嵩み、最下位にまで転落しましたが、見事新商品をヒットさせ、優勝することができました。

教授が非常に淡々と授業を進めるため、授業としては正直イマイチだと感じましたが、テスト勉強をしながらスライドを読み返していくと、各フレームワークが実例と共に良く纏まったいい資料だなと思いました。内容もさることながら、教える側の熱量がとっても大事だなと感じます。

 

3.Capital Market(教授:Ing Chen
学習内容としては、株式・債券・オプション・フューチャーの基礎的な項目を網羅します。学習する内容の深さとしては、CFAのレベル1や日本の証券アナリスト試験(受けたことないので不確かですが。)と同じぐらいのレベルかと思います。また、金融機関で市場系の業務に従事している人にとっては簡単すぎる内容かもしれません。

例えば、DCF、DDM、CAPM、デュレーション、プットコールパリティといった用語を聞いて内容がピンと来る人はExemption(受講免除)してしまっても構わないのではないでしょうか。私もExemptionを検討しましたが、前期に会計をExemptionしていたこともあり、受講することにしました。私は個人的にExemption推進派ですが、限られた時間をどのように使っていくかは、よくよく検討が必要なところです。

本授業については、毎回問題演習が課されることや、Ing教授の説明の上手さもあって、知識を定着させられたり、理解がかなり深まったりしたので、結果として受講してよかったかなと思います。

バックグラウンド次第では、ちんぷんかんぷんになっている人もそれなりにいたようですが、Capital Marketは最悪、でもIng教授は最高という人も結構います。

また、統計で学習した事項と関連してくることもあったりして、面白かったです。簡単な回帰分析を実際に行うことで、「あぁ、CAPMのβってこういうことか」と腹落ちしたりもしました。

 

4.Analytics II (James SmithPrasad Vana
本授業は前半でエクセルのモデリング、後半はデータビジュアライゼーションとRを用いた分析手法を学習しました。

エクセルのモデリングにおいては、様々なケースを読み解きながら、どのように美しく、機能的にモデル化していくか、また、作成したモデルを基にSolverというエクセルのアドイン機能を用いながら、どのように最適な意思決定を下していくかを学習していきます。

データビジュアライゼーションではTableauを使って様々なデータを図表に纏める手法を学びました。Rを使った授業では、基本的なコーディングの理解を深めつつ、回帰分析、クラスター分析、ニューラルネットワークによる分析といった分析手法の基礎を学ぶことが出来ました。

こういったハードスキルが身につくのは、成長がわかりやすくていいなと思いつつ、実際にどこまで業務に活かせるものか、やや不透明です。こうした分析手法が必要な業務に従事したとしても、会社によって使っているソフトウェアも違ったりするでしょうし、そもそも授業で使っているような綺麗なバックデータが実務で手に入ることも稀なのではないでしょうか。

他方で、それぞれの分析の概念的な部分や、出てきた結果の読み解き方についてはこれからの時代必須スキルかと思いますし、上記のCapital MarketのCAPMのように、他の科目で統計の知識が必要となるケースも多く、今後の勉強や実務において自身の土台となる重要な科目であったと思います。大学院で勉強していく上でも、論文のコンテンツの相当な部分が統計手法による実証研究に割かれているケースも多く、やはり知ってくべきだと思います。