Fall Aターム

1.Manegirial Economics(ミクロ経済)(教授:Teresa Fort)

Fort教授によるミクロ経済学の授業。完全競争市場における短期均衡・長期均衡という基礎的事項に始まり、完全競争ではない市場において企業がどのように行動するのかを主にはプライシング手法を通じて学んでいきます。授業はケースが多く、アルミニウム市場、海運市場や漁師等々の様々な立場に立って、市場を経済学の観点から分析し、どのように将来を見通し、行動を起こしていくのかを考えていくことができました。個人的に、経済学って理論としては面白いけど、実際のビジネスにどうやって使うんだよ・・・と思っていたので、ケースを通じて実際のビジネスの場での応用力を身につけられたことは良かったかと思います。また、教授の教え方は、市場をどのように分析していくかという思考のフレームワークに重点を置いていたので、産業構造の捉え方を身につける上でも面白い授業でした。月曜朝一にも関わらず、教授の熱量が凄かった・・・

2.Analytics I (統計分析I)

統計分析の基礎となる授業。Fall BにはAnalytics IIが待ち構えており、統計という分野がコア科目においても以下に重視されているかが分かります。Dicision Treeの作り方に始まり、それに基づいたリスク分析の手法・意思決定の仕方を学び、後半はSPSSというアプリケーションを用いて回帰分析の手法について学んでいきます。経済学もですが授業の進むスピードが速く、毎回の課題をこなしていくのに必死でしたが、一応、回帰分析の仕方・読み解き方・各分析手法における問題点等を学ぶことができました。すごく沢山のことを学んだ気がしますが、まだこれで「I」なの?って感じです。統計の授業もケースが多く、ビジネスシーンからDecision Treeを作り上げていくことは、実際のビジネスの場で意思決定する際の頭の整理をする力を養うことに繋がったかなと感じます。

3.Managin People (人材管理)(教授:Daniel Feiler

人材管理(モチベーション、行動科学、倫理、ネゴシエーション等)について学びました。Feiler教授は40歳以下の教授Top40にも選ばれたことのある教授で、授業へのエンゲージメントが半端ない教授でした。人材管理を教えているだけあり、生徒のモチベーション高め方や自分自身の魅せ方等、相当考えているイメージです。毎回、実験的に何らかのアクティビティに取り組んだ上で、そこに潜むバイアスを示しながら、それらにどのように向き合っていくかを学んでいきます。この毎回のアクティビティで見事にみんなバイアスにハマっていくのが面白かったです。どんなに優れた人でも必ずバイアスには囚われるのだということを知った上で、リーダーを目指していくことが大切だと思います。

4.Managing Communication (コミュニケーション)

所謂スピーチやプレゼンの授業。スピーチの質を高めるための理論や技法、効果的な資料の作り方を学ぶことが出来、ある意味一番実践で使える授業だったかもしれません。コンサルタントをしておられる方には当たり前のことかも知れませんが、Think-cell(資料作成サポートのアドイン?)最高すぎだろ・・・と感じました。Tuckは色んなアドイン機能を提供してくれるので、自分はさておき、PCのスペックばかりがどんどん強化されていきます。教授は元コンサルタントの方も多く、自分のテイストとは違った資料の作り方をマスター出来たほか、毎回の授業でスピーチやプレゼンをし、それを録画したものを自分で見て感想を提出することになるので、なかなか心を削られました。クラス全員からフィードバックも貰えるので、自分自身を改めて客観的に見る良い機会となりました。

5.Accounting (会計)

本当の基礎から3表連動モデルまで教えてくれる授業です。流れとしては、財務3表それぞれの役割の外観・仕分けの基礎→損益計算書→貸借対照表→キャッシュフロー計算書→3表連動モデル→いくつかの会計科目の詳細(社債・売掛金・買掛金・在庫等)という順序で授業が進んでいきます。授業は教授お手製のPDFがテキストとして使用され、毎回の授業の前はビデオで基礎的なコンセプトを学びます(ビデオがすごくわかりやすい)。毎回の授業の予習復習に加えて、毎週金曜日に宿題を提出する必要があり、負荷は少し高めでした。特徴としては、何といっても教授のStockenが面白くて授業もわかりやすく、人柄が素晴らしいことです。この授業は全てZoomで行われましたが、何とか学生とインタラクションしたいStockenは、授業が始まる15分くらい前からZoomに入り、学生が入ってくるたびに声をかけて短い会話をしていました。アカデミックの部分の特徴としては、どの分野を学んでいるときでも3表の連動及びキャッシュの動き(Cash is king)を意識するように教授が強調していたことです。細かなルールを暗記させる授業というよりも、将来企業の幹部になるであろうTuck生に、3表の仕組みを理解させ、3表が意味するところを解釈させることに力点が置かれていたように思います。授業の最後に教授が「会計のルールを用いれば、投資家をだますこともできる。それくらい会計のルールというのは柔軟にできてしまっている。だからこそ君たちはリーダーとして会計を正しく使ってほしい」とメッセージをくれたのが印象的でした。

リクルーティング

Tuckの卒業生の主な進路として、3~4割がコンサルティング業界、2~3割が投資銀行やその他金融、2割がテック業界となっています。

就職活動においては、キャリアセンターが書類や面接の対策、企業とのコミュニケーション等で手厚くサポートしてくれます。(キャリアセンターのウェブサイトはこちら

キャリア関連のクラブ活動も盛んで、コンサルティングクラブ・ファイナンスクラブ・テクノロジークラブ等沢山の種類があり、2年生の指導の下、学生間で模擬面接を行ったり、企業の講演会やネットワーキングイベント等が催されます。

また、特に米国においてはネットワーキングも重要視される為、Tuckの卒業生ネットワークは大変心強い味方となります。

日本人の就職先としても、McKinsey・BCG・Bainといったコンサルティングファームや、Amazon・Ei Lilly、日系商社・金融等、活躍の場は多岐に渡ります。また、アルムナイの中にはご自身で起業されている方も多くいます。

Tuckのキャンパス

Tuckのキャンパスはニューハンプシャー州のハノーバーにあります。アメリカ北東部、カナダとの国境も近い、ニューイングランドと呼ばれる地方にあり、非常に自然豊かな環境です。キャンパスも緑に囲まれたとても美しい風光明媚な建物です。

上の写真にもあるような伝統と歴史の感じられる装いのあるホールで暖炉を囲みながらクラスメイトと談笑できる一方、教室内は如何にもビジネススクールといった様子で、授業中は白熱したディスカッションが繰り広げられます。

また、学食ではハンバーガーやサンドイッチといった軽食やグリルも購入できる他、無料でコーヒーが飲めるナイスなカフェ、生徒が運営するTuckのグッズショップ(Tuck Stuff)等々、授業の合間に気分転換できる場所も沢山あります。

キャンパスには寮も併設されており、単身の1年生の殆どが寮で暮らします。寮の共有スペースでは、夜遅くまでスタディグループのメンバーとのディスカッションが繰り広げられたり、クラスメイトの母国のダンスをみんなで踊ったりと、Tuck生同士での絆が育まれています。

下の動画にて、Tuckのキャンパスが紹介されておりますので、是非一度ご覧になってください。