クラブ活動

1.Tuck Community Consulting

所謂プロボノコンサルティングをTuckの1年生5人1チームで実施するクラブ。クライアントは地域のNPOが中心。教育・医療・芸術・農園・コミュニティバンク等多岐にわたるクライアントから応募があったプロジェクトに、関心の合う学生がアプライし、チームを形成します。特に、NPOやコンサルティングに興味のある人にとっては面白いかと思います。私はある企業のコロナ禍における人材戦略の立案プロジェクトに参加しました。秋タームの勉強もリクルーティングも忙しい時期にプロジェクトを行うので、時間のマネジメントが大変ではあるのですが、良い経験を積むことができたと思います。

2.Glen Tuck(ウィスキー好きが集まるクラブ)

2年生が主催し、スコッチの会や日本のウィスキーの会等、テーマに沿ったウィスキーが提供され、みんなで飲みながら親交を深めます。ウィスキーベースのカクテルも作ってくれたりするので、バー気分で楽しめます。この種のクラブも結構あって、ワインクラブ・チーズクラブ等、趣味が同じ人達で集まって楽しく意見交換ができます。ワインクラブはテイスティング講座を提供したりもしています。

3.  アイスホッケー(Tripod)

Tuckを受験する方なら必ず耳にしたことがあると思います。Tuckの言わば伝統スポーツのようなもので、T’21では9割近くの学生が所属していたと思います。アイスホッケーをやっていた方、運動神経の良い方は、普通に参加すればいいと思いますが、不安を感じる方もいるかもしれません。ので、QA方式でその不安を取り除きたいと思います。

Q: 私スケートすらやったことありませんが?

A: アイスホッケーのクラブはA、B、トライポッドという3レベルに分かれており、初心者(大多数)はトライポッドに所属します。運動神経の良い学生は初めからスイスイ滑っていますが、他のみんなはあちこちでこけてます。ちなみに私はいまだに氷の上で停止する方法がわからないので、壁か人に激突することで止まっています。

Q: 試合で迷惑をかけるのが心配です

A: トライポッドはガチではありません。当然、試合に勝てば盛り上がりますが、勝つことよりも楽しむことに重きを置かれています。したがって、試合には上手な人、下手な人、全員が平等に出ますし(補足として、アイスホッケーは選手交代が自由で、しかも結構体力を消耗するので、かわるがわるコートに出ます)、決定的なチャンスでコケる、空振りするのはご愛嬌です。ちなみに、トライポッドの場合、練習(ウォームアップ)は毎回10分程度、その後はひたすら試合です。

Q: なぜ忙しいMBA生活の中でアイスホッケーをするのでしょうか

A: 答えは人によると思いますが、以下のような考え方があると思います。①セクション外や他学年にネットワークができる。②アイスホッケーという共通の話題で盛り上がれる。③教室とは違った個性が垣間見える(超優秀な同級生が氷の上で悪戦苦闘している姿に親近感が沸く等)。④タイムマネジメント能力の向上。⑤Tuckの伝統&アメリカの超人気スポーツに参加すること自体の価値。⑥30歳前後で新たなことに挑戦すること自体の価値。

↑ Trypodのチーム発表イベント。すごい熱気でした。

SectionとStudy Group

Tuckは1学年約280名ですが、これが約70名ずつの4Section(日本語で言うところの学級ですね)に分けられ、一緒にコア科目を履修します。Sectionはさらに5~6名のスタディグループに分けられます。

Fall AとFall B(8月下旬~12月下旬)は同じセクション、スタディグループが続きます。最もintensiveな期間を一緒に過ごすことになるので、このセクション、スタディグループがとても仲良くなります。特にスタディグループ内では、それぞれの得意分野、性格、貢献意欲、就職活動へのリソースの割きっぷりが見えてきて、時には諍いや対立が起こる等、リーダーシップ・チームマネジメントを実践することができます。

Winter term(1月初旬~3月初旬)は、セクション、スタディグループともにシャッフルされます。Fall termのセクション、スタディグループが折角居心地よくなってきたのに・・・という感はありますが、逆に言えば成長カーブが緩やかになってきたタイミングということ。新たな人間関係の中でパフォーマンスを出していく、ネットワークを広げるという意味で、実によくできたタイミングのように感じます。

Spring term(3月下旬~5月下旬)は、再度、セクション、スタディグループがリシャッフルです。ただし、今回は、First Year Projectのために自分たちで組成したチームが、そのままスタディグループになります。

2年目はエレクティブのみとなるため、セクションという概念はなくなります。が、エレクティブでも7~8割の授業でスタディグループ(3名~5名程度)を組み、課題やプレゼンに取り組むことが求められます。エレクティブでは、1年生と2年生が一緒にスタディグループを組むことも普通にあります。

エレクティブの特色

卒業に必要なエレクティブの単位数は2年間合計で39単位です。通常のエレクティブ1科目は、週2回×90分×9週間で3単位です。Tuckのエレクティブには以下のような特徴があります。

1 Mini course

Mini courseとは、通常の授業の半分の単位(1.5単位)が獲得できる科目です。授業の負荷も半分で、①週2回×90分×4.5週間(Termの前半か後半のみ授業がある)、②週1回×90分×9週間のいずれかとなります。

ミニコースのメリットは、1つはスケジュールの柔軟性です。つまり、同じTermの中でも、前半は週10コマ、後半は週6コマ、みたいな強弱をつけて、就職活動やプライベートを充実させることができます。もう1つのメリットは、ちょっとだけ興味のあるテーマを気軽にカジることができる点です。

ミニコースの数は結構多く、私はこれまで1年春に1つ、2年秋に3つ、2年冬に2つ履修しています。

2  MSQM (Management Science and Quantitative Methods option)

2020年より導入されたManagement Science専攻のオプションで、該当科目を15単位以上履修することで、MSQM専攻の認定を受けることができます。該当科目では、必修科目であるAnalytics I, IIで学んだ統計学、データ処理の技能を駆使して、マーケティング、ファイナンス、ビジネスアナリティクス等に取り組みます。詳しくはこちら

3 Independent Study

何か自分自身で研究したいテーマがある場合には、Independent Studyに取り組むこともできます。単位数は通常のエレクティブと同じ3単位です。私は、日本のある企業を主軸にコーポレートガバナンスのIndependent Studyを行いました。2年生になってから行うのが一般的ですが、1年生の冬学期からでも取り組むことができます。以下は、私の体験による具体的なタイムラインです。

2019年11月末:Tuck来訪のゲストからインスパイアを受け、Independent Studyをやってみたいと考える

2019年12月初:とはいうものの何から手を付ければいいのかわからないので、MBAプログラムオフィス(学生の相談窓口)のSallyに相談してみる。コーポレートガバナンスならProf. Eckboが適任だと紹介され、連絡を取ってみる

2019年12月初:Prof. Eckboからすぐに面談しようと返信受。その面談にてProf. Eckboがsuperviseすることを快諾、もう1名の教授の許可も面談中の電話で取り付けてくれて(実際にsuperviseしたのはProf. Eckboだが、2名の教授の署名が必要)、内々にIndependent Studyの実施が決まる。参考文献を大量に渡され、冬休み中に多少消化。

2020年1月初:Independent Studyの申請書類を正式に提出、承諾を得る。

2020年1月初~3月初:実際の研究を実施。日米欧の様々な文献を読み漁り。Prof. Eckboとは2週間に1度ディスカッションを実施。国内外のAlumniのネットワークを使って、インタビューを実施。皆様すごく協力的。

2020年3月中旬:論文の最終稿をProf. Eckboに提出。

当初は興味本位で始めた研究でしたが、Prof. Eckboとのディスカッションや論文を通じて、事前には全く想像していなかったような学びがありました。私の場合は平均的なエレクティブの1.5倍~2倍程度の労力はかけたと思いますが、本当に面白かったので苦痛は感じませんでした。